2018-11-01から1ヶ月間の記事一覧

No. 125 自動車運転再開について

自動車運転再開について 脳卒中やその他の病気になっても回復期リハ病棟退院後には自動車運転を再開したいと希望される患者さんが少なからずいます。退院後の生活の質に大きく影響することもありますので、可能ならば再開できるように支援したいですが、もし…

No. 124 リハビリテーションにおける超音波

リハビリテーションにおける超音波 INTRODUCTION 超音波は人間の可聴域の20KHzを超える音です。近年、画像検査としての超音波の使用は、筋骨格系および末梢神経系障害の評価に不可欠となっています。従来の画像技術と比較すると超音波は、その場ですぐに行え…

No. 122 原発性アルドステロン症

原発性アルドステロン症 原発性アルドステロン症とは、副腎からアルドステロンというホルモンが勝手に過剰に作られ、その作用で高血圧などの症状が生じる疾患です。高血圧の約5~10%の原因になっています。また治療してもなかなか治らない高血圧(治療抵抗性…

No. 122 バランストレーニングが記憶力や空間認知能力を改善する

バランストレーニングが記憶力や空間認知能力を改善する Rogge, AK, et al. “Balance Training Improves Memory and Spatial Cognition in Healthy Adults.” Scientific Reports 7, no. 1 (Dec 2017). https://doi.org/10.1038/s41598-017-06071-9. 運動が認…

No. 121 誤嚥性肺炎のABCDEアプローチ

誤嚥性肺炎のABCDEアプローチ 「治療」という医学雑誌の最新号に「終末期の肺炎」という特集記事がありました。「終末期」というと、がんをイメージする人が多いと思います。しかし最近は、がんでない疾患(非がん疾患)の終末期・緩和ケアが注目されつつあ…

本の紹介:「インフルエンザ なぜ毎年流行するのか」

番外編 本の紹介:「インフルエンザ なぜ毎年流行するのか」 インフルエンザ なぜ毎年流行するのか (ベスト新書) [ 岩田健太郎 ]ジャンル: 本・雑誌・コミック > 文庫・新書 > 新書 > その他ショップ: 楽天ブックス価格: 885円 過去のミニレクチャーでも感…

No. 120 急性胆嚢炎

急性胆嚢炎 急性胆嚢炎は、食後数時間してから吐き気や嘔吐、上腹部の痛み、悪寒や発熱などの症状が出現する病気です。胆石をもっている人に起こりやすく、胆石が胆管にはまって、そこに細菌感染が起きて発症します。9割はこの結石が原因で起こるのですが、…

No. 119 体位ドレナージは有効か?

体位ドレナージは有効か? 体位ドレナージとは、体位によって喀痰を排泄する方法です。100年以上も前からある方法です。姿勢をあれこれ変えることで喀痰を中央の気管へ移動させて体外へ排泄させます。例えば右の肺に喀痰がある場合は左を下にした側臥位をと…

No.118 外傷性脳損傷Traumatic Brain Injury

外傷性脳損傷Traumatic Brain Injury : TBI PATHOPHYSIOLOGY 一次的な傷害は衝撃そのものによるもので、受傷後数時間以内に起こります。びまん性軸索損傷(DAI)は、衝撃時の加減速、回転力、および白質と灰白質との間の組織密度の差によって生じる軸索のせん…

No. 117 呼吸数 ー4番目のバイタルサインー

呼吸数ー4番目のバイタルサインー 入院している患者さんは毎日「バイタルサイン」を測定されます。「バイタルサイン」には、体温、心拍数、血圧、そして呼吸数が含まれます。最近は呼吸数の代わりにパルスオキシメーターで測定される経皮的動脈血酸素飽和度S…

No. 116 脳卒中患者でのイメージトレーニングの効果

脳卒中患者でのイメージトレーニングの効果 イメージトレーニングは、プロスポーツ選手の間では普通にトレーニングに取り入れられています。イメージトレーニングが脳卒中後の上肢機能の改善にも有効かどうか検証した論文を紹介します。 Motor imagery train…

No. 115 大動脈弁狭窄症

大動脈弁狭窄症 心臓には4つの部屋があり、全身から帰ってきた血液が大静脈から右心房へ集まり、右心室へ行き、肺へと出てゆき、二酸化炭素を出して酸素を取り込んだ後、左心房へと戻り、左心室へ行き、最後に大動脈へと流れて全身へ血液が供給されます。こ…

No. 114 反復練習が脳卒中後の筋力におよぼす影響

反復練習が脳卒中後の筋力におよぼす影響 脳卒中によって麻痺が起こると手足が動かしづらくなります。その麻痺がどの程度の麻痺かを表現する方法として、複雑な動きがどの程度できるのかという観点から点数をつける評価方法と、単純に筋力で評価するという方…

No.113 低カリウム血症

低カリウム血症 低カリウム血症はありふれた検査異常です。3.6mEq/L以下の低カリウム血症は入院患者の21%に認められるという報告があります。ほとんどの場合は特に症状もなく、カリウムを補給したりする必要もありませんが、中には急いで治療する必要のある…

No.112 不明熱(FUO)

以下は、Harold W. Horowitz : PERSPECTIVE; Fever of Unknown Origins or Fever of Too Many Origins? NEJM. JAN 17, 2013.の要約です。 不明熱(FUO : Fever of Unknown Origin)とは、38.3 ℃を超える発熱が3週間持続しているにもかかわらず、入院しての1週…

No. 111 インフルエンザ迅速検査について

インフルエンザ迅速検査について インフルエンザの季節が近づいてまいりました。院内での流行は避けたいところですが、起こるときには起こります。早期発見のためにインフルエンザの迅速検査キットを用いることがあります。しかしこの検査にはいろいろと問題…

No. 110 脳卒中患者にも筋トレは有効

脳卒中患者にも筋トレは有効 リハ業界では過去にさんざん議論になった問題のひとつに「努力を要する活動や筋トレは、脳卒中片麻痺患者に有益か?それとも痙性を増強してしまい有害か?」というものがありました。これについては「筋トレは脳卒中片麻痺患者の…