2018-06-01から1ヶ月間の記事一覧

ミニレクチャー No. 45 脳卒中 その3:麻痺について

脳卒中 その3:麻痺について 脳卒中による症状で代表的なものに身体の麻痺があります。典型的には右側か左側、どちらか半身が麻痺します。「片麻痺(かたまひ、へんまひ)」と言います。脳はその場所によって担っている機能が決まっており、身体の運動を担う…

ミニレクチャー No. 44 IADLについて

IADLについて ADLは、日本語では日常生活動作のことですが、もはや略語の方が通じやすいくらいに皆さんよくご存知でしょう。ADLは日常生活をおくる上で必要な活動・動作であり、FIMの様なADL評価では必要最低限の日常生活動作をピックアップして評価すること…

ミニレクチャー No. 43 脳卒中 その2 情報収集をしよう

脳卒中 その2 情報収集をしよう 病院で病気を診断したり治療したりするには、患者さんについての情報、病気についての情報を集めます。いわるゆる、主訴や現病歴、既往歴などの情報を収集してから診察や治療を行います。 リハビリテーションにおいても情報収…

ミニレクチャー No. 42 脳卒中 その1

脳卒中 その1 脳卒中は回復期リハ病棟に入院する疾患の代表です。脳卒中について話そうとすると、A4一枚では絶対に書けないので、先延ばしにしてきました。何回かにわけてシリーズ化してお届けします。第一回目はあまりおもしろくはないですが、色々ある病名…

ミニレクチャー No. 41 クスリのリスク

クスリのリスク 回復期リハ病棟に入院する患者さんの大半は高齢者で、たくさんの病気を持っていることが多く、病気の数だけ飲んでいる薬も多くなります。この、たくさんの薬を飲んでいる状態を、ポリファーマシー Polypharmacy(多剤併用)と言います。だい…

ミニレクチャー No. 40 骨粗鬆症性椎体骨折とは

骨粗鬆症性椎体骨折とは 骨粗鬆症性椎体骨折(=脊椎圧迫骨折)は、高齢者で最も頻度の高い骨折で、70歳以降に急増し、80~84歳で40%を超えます。転倒によるものもありますが、とくに思い当たる様な原因がなく突然の腰痛で始まることもあります。腰背部の痛…

ミニレクチャー No. 39 ギラン・バレー症候群とは

ギラン・バレー症候群とは ギラン・バレー症候群という病気を聞いたことがある方がいるかもしれません。先進国での、手足の麻痺が生じる病気の原因として一番多い疾患です(発展途上国ではポリオが1位)。1年間に人口10万人あたり1.5人が発症します。一生涯の…

ミニレクチャー No. 38 伝達講習「サルコペニアの最新の話題と栄養」

伝達講習 6月16日に開催された 第28回 NSTを本音で語る会 での熊本リハビリテーション病院 吉村 芳弘 先生による特別公演「サルコペニアの最新の話題と栄養」、勉強になりました。公演のはじめに、吉村先生が「学習ピラミッド」について触れられ、講義形式の…

ミニレクチャー No. 37 リフィーディング症候群とは

リフィーディング症候群とは 第二次世界大戦後に解放された捕虜のなかに、十分な栄養補給を受けながら死亡する例がありました。長期間の栄養不良後、急激に高エネルギーの栄養摂取を行なったことで、低リン血症、低マグネシウム血症、低カリウム血症をきたし…

ミニレクチャー No. 36 サルコペニアとは

サルコペニアとは 歳をとると筋肉は減少し、筋力も低下します。この加齢に伴う筋肉量・筋力の減少をサルコペニアsarcopeniaといいます。サルコペニアは加齢によって進行します。そこに、活動の低下、疾患(臓器不全、悪性腫瘍、炎症性疾患)、栄養不足などが加…

ミニレクチャー No. 35 たかが便秘、されど便秘

たかが便秘、されど便秘 入院中の患者さんの大半が便秘である、と言っても過言でないくらい便秘の患者さんは多いです。ところでどのくらい便がでなければ便秘症と診断されるかご存知でしょうか。慢性便秘症診療ガイドラインには、以下の6項目のうち、2項目を…

ミニレクチャー No. 34 リハにもM&Mカンファレンスを

リハにもM&Mカンファレンスを 医療行為を行えば、合併症や失敗はどうしても起こります。リハビリテーションも例外ではありません。そもそも人は、失敗から学んで成長します。だからと言ってどんどん失敗して良いわけではありません。ひとつの失敗事例を皆で…

ミニレクチャー No. 33 慢性炎症性脱髄性多発神経炎とは?

慢性炎症性脱髄性多発神経炎とは? 慢性炎症性脱髄性多発神経炎(chronic inflammatory demyelinating polyneuropathy:CIDP)、一見すると漢字だらけの長い病名で訳がわからなそうですが、実際はその名前の通りの病気です。つまり、慢性にゆっくりと、時には…

ミニレクチャー No. 32 そのひとは在宅へ帰れるのか?

そのひとは在宅へ帰れるのか? 回復期リハ病棟に入院する患者さんは自宅退院を目指しています。制度上も在宅復帰率といって自宅(またはそれに準じる施設)へ退院する患者さんが一定の割合に達している必要があります。自宅退院できるかどうかは、患者さんの回…

ミニレクチャー No. 31 気管切開カニューレの管理はどうすればよいか?

気管切開カニューレの管理はどうすればよいか? 人工呼吸管理が長期化することが予想される場合、口や鼻からの挿管による気道確保ではなく気管切開が行われます。カニューレは、気管切開孔に挿入するL字型に曲がったチューブです。カニューレにはいくつか種…

ミニレクチャー No. 30:人工呼吸器の10箇条

人工呼吸器の10箇条 以下の参考文献から、まったくひねりなしのコピペです。人工呼吸器を取り扱ううえでの原理原則です。 1. 「呼吸=肺」と考えない 呼吸がうまくいっていない患者さんでは、必ずしも肺が悪いわけではありません。中枢神経→脊髄→末梢神経→筋…

ミニレクチャー No. 29 嚥下障害の評価はどうするか?

嚥下障害の評価はどうするか? 食事を安全に食べるためには、さまざまな機能が必要です。まず、目の前にあるものが食べ物であると認知でき(認知期)、箸やスプーンで、もしくは介助で、口の中まで運び(準備期)、飲み込める状態になるまで咀嚼し(口腔期)、誤嚥…