No. 168 義足のインターフェイス

残存肢と義足のソケットをつなぐための装置(=インターフェイス)には、硬性のものと軟性のものがあります。硬性インターフェイスの例としては、吸着式ソケットで、皮膚とソケットが直接接触するタイプのものがそれにあたります。ただし、現在は剪断力や衝撃力から残存肢を保護するためのライナーを用いた軟性インターフェイスが主流になっています。

軟性インターフェイスは残存肢にとってのクッションの役割を担い、さらに残存肢の体積の多少の変化にもある程度対応します。また、著しい軟部組織の萎縮により骨の隆起がある患者や、陥入して痛覚過敏な瘢痕組織が存在する場合には特に有効です。軟性インターフェイスの素材には、PEライトインサート、ゲルライナー、ウレタン、シリコーンライナーなどがあります。軟性のものの欠点は、磨耗しやすく、容積が増え、臭いがしみつくことです。ライナーの着脱や清潔保持が、一部の患者にとっては問題になることがあります。

義足の他の部品と同じように、ライナーにも商業ベースで様々なブランドや種類があります。最適なインターフェイスを患者のニーズや特徴を考慮して選択することが大切です。