No. 165 大腿切断:義足処方の概要

義足の処方には、必須の要素が確実に含まれるように、系統的なアプローチを行う必要があります。例えば大腿義足に必要な要素には以下のものが含まれます:

    • ソケット
    • インターフェース(シリコンライナーなど)
    • 懸垂装置
    • フレーム
    • 足部と足継手
    • 膝継手
    • その他(回転盤やカバーなど)

患者の機能分類(No.163を参照)を決定することは、どのような義足を処方するか、大まかな方針を決定するうえで重要です。しかし、個々の患者の特性とどのような機能的ゴールを目指すのかについても考慮する必要があります。

それぞれの部品は具体的な製品名を指定するのではなく、患者の目標を達成するために最適な部品のクラスを決定するようにします。インターフェースや懸垂装置の選定においては残存肢の皮膚の状態を考慮する必要があります。義足の着脱について検討する際には、手の機能や視力、認知機能について考慮する必要があります。また患者の体重によっては使用できる部品が制限されてしまいます。最終的には義足の耐久性や信頼性、見た目、そしてコストなどを考慮して義足処方は行われます。

処方の決定は、医師、義肢装具士、セラピスト、そして最も重要なメンバーである患者自身を含めたチームで行われなければなりません。患者とその家族に、義足の各部品についてきちんと説明し、どの様な選択肢があるのか、それぞれの選択肢の利点と欠点は何かについて理解した上で、目標にあった選択できるように教育できれば理想的な義足処方ができます。