No. 166 大腿切断:ソケットデザイン

義足のソケットは残存肢と義足とつなぐためのプラットフォームとして機能します。皮膚とソケットが直接接触する場合もありますが、多くは皮膚とソケットの間にライナーなどがインターフェースとして用いられます。ソケット自身にもサスペンション機構があるものもありますが、多くの場合は別にサスペンション機能を担う部品が追加されます。義足が理想的に機能するためには、ソケットが快適で安全で、残存肢から義足へと運動を容易に伝達する必要があります。

最近のソケットは、硬性の外部フレームと柔軟な内部のライナーで構成されたものがが主流で、このデザインは骨への負担を軽減し筋収縮を促すように設計されています。

 

四辺形ソケット

このタイプのソケットは今日では滅多に使われません。名前からわかるように、このソケットは横方向に長い長方形の形をしています。スカルパ三角から後方へ向かう力が働き坐骨結節がソケット壁の上にのり、おもにそこで体重を支えます。ソケットの下2/3は一般的な残存肢の形状でデザインされており、筋肉の輪郭にほとんど沿っていない状態で接触しています。この遠位部分の荷重機能はわずかしかありません。

 

坐骨収納型ソケット

坐骨収納型ソケットは大腿切断で最も用いられるソケットデザインです。坐骨結節がトリムラインの内側に含まれています。大腿骨の外側と恥骨枝、そして坐骨結節をソケットのなかに収めることで、大腿骨の過度の外転を予防し、立脚期での側方安定性を改善します。これは、残存肢が短い人や股関節外転筋が弱い人に最適です。このソケットは、四辺形ソケットと比べて、遠位2/3も筋肉の輪郭に沿ってデザインされています。

 

坐骨下ソケット

3番目のソケットデザインは坐骨下ソケット(subischial socket)です。このソケットのトリムラインは坐骨結節よりも下にあり、荷重を完全に筋組織に依存しています。このソケットは通常、強い吸着ソケットであるため、装着により注意が必要になります。

 

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