医療面接の注意点

医療面接の注意点

 

回復期リハ病棟では患者さんやその家族と話し合いの場を持つことが多々あります。そんな時に普段スタッフ同士でミーティングする様な話し方をしては、患者さんや家族には理解できません。医療従事者の常識は世間の非常識です。そして、医療者側が思っているよりも、患者さんや家族は、理解できてなくても聞き返さないものです。

 

リハは患者さんや家族に参加してもらうことが目標達成のためには必須です。できる限り、お互いに理解して情報を共有していることが大切です。医療面接時に気をつけるポイントを以下の参考文献からピックアップしました:


・過不足なく目を合わせよう
・臨床面接には少しだけ即興を入れよう
・「話す」より「聞こう」
・患者が真実を言っていることを前提にしよう
・医学用語は患者と医療者で違う意味を持つことがある
・患者の話に驚いた様子を見せないように気をつけよう
・「分かりません」と言うことを恐れる必要はない
・沈黙は強力な武器である
・ヘルスケアにおいて最も大切な能力は、知的コミュニケーション能力ということになるだろう

 

どの項目も抽象的で、すぐには役に立たないかもしれません。むしろ、これらの文章を見て、「そうそう」と思えるようであれば、ある程度上手に医療面接が出来ている、という自分の医療面接能力を推し量る指標として捉えるのが良いかもしれません。


最後に、同じ参考文献に載っている、肝に命じている格言を紹介します;


知識と知恵は同じものであるどころか、しばしばなんの関係もない。

知識は他人の思想が詰まった頭の中にあり、知恵はみずからを注意深く見つめる心の中にある。

知識は自分がこんなにも多くを学んだと誇り、知恵は自分がこれしか知らないとへりくだる。

ーWilliam Cowper(1731-1800)


参考文献

Robert B. Taylor (著), 石山貴章 (監修): 医の知の羅針盤 良医であるためのヒント, メディカルサイエンスインターナショナル, 2017