クイズ(2017年リハ専門医試験より) その1

1.リハビリテーションの理念について正しいのはどれか。二つ選べ。

(1)語源的には「機能回復」を意味する。

(2)歴史的には「破門の取り消し」という意味で使われた。

(3)「犯罪者の更生」という意味でも用いられる。

(4)医学の中に定着したのはベトナム戦争以降である。

(5)我が国では、まず脳卒中の治療の一環として導入された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

答え:(2) (3)

解説:

(1)語源についてはミニレクチャーNo.1参照

(4)各国で微妙な違いはあるものの、第二次世界大戦が契機

(5)第二次世界大戦前の肢体不自由児療育事業

 

2.リハビリテーション科医の一般的役割で誤っているのはどれか。

(1)障害の評価

(2)障害の予後予測

(3)機能訓練の処方

(4)機能訓練のリスク管理

(5)介護保険の要介護認定

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

答え:(5)

 

3.誤っているのはどれか。 

(1)リハビリテーション医療はリスクを伴う。

(2)リスボン宣言は患者の主要な権利を列挙したものである。

(3)医療過誤は従事者が医療的準則に則っていても発生する。

(4)医療事故には過失が存在するものと不可抗力によるものがある。

(5)ハインリッヒによると「ひとつの重大な傷害事故の陰には300の傷害にいたらない事故がある」とされる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

答え:(3)

解説:医療過誤は、医療従事者が医療的準則に違反して患者に被害を発生させた事をさす言葉。ちなみに医療事故は医療の全過程において発生するすべての人身事故のことで、医療従事者に過失があるとは限りません。医療過誤は医療事故の中に含まれる概念です。

ハインリッヒの法則:一つの重大事故の背景には、29の軽微な事故があり、その背景には300のヒヤリとするような事故手前の状況がある、という労働災害における経験則。

 

4.障害の受容について正しいのはどれか。

(1)個人の認識であり、周辺の人びとの受容は不要である。

(2)障害の回復を諦めることを必要とする。

(3)重度の身体障害者ほど困難である。

(4)補装具の受容と一致する。

(5)価値観の変換を要することが多い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

答え:(5)

解説:従来は、障害受容の過程はショック回復への期待悲観防衛適応という段階を経るとされていましたが、最近は、必ずしもそうではないと言われています。

 

 

5.国際生活機能分類(International Classification of FunctioningDisability and Health:ICF) の用語と意味の組合せで正しいものはどれか。二つ選べ。

(1)心身機能ーーー身体の解剖学的部分
(2)参加ーーーーー生活場面へのかかわり
(3)活動ーーーーー個人が活動を行なうときに生じる難しさ

(4)環境因子ーーー人々が生活し人生を送っている物的・社会的環境

(5)個人因子ーーー密接な家族との直接的な接触

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

答え:(2)(4)

(1)身体の解剖学的部分は「身体構造」の説明

(3)活動とは生活場面で行われる具体的な行為のこと

(5)個人因子はその人固有の特徴のことで、内容は多岐に渡ります