ミニレクチャー No. 11 回復期リハでのMSWの役割
回復期リハでのMSWの役割
ソーシャルワーカーは生活に困っている人や不安を持っている人、社会的に弱い立場にいる人々に対して医療・社会福祉制度、医療・介護サービスなどに関する知識をもって、よりよい生活ができるように援助する専門職です。とくに医療機関で働くソーシャルワーカーをMSW:Medical Social Worker 医療ソーシャルワーカーと呼びます。MSWの具体的な仕事や役割には以下の様なものがあります:
1.療養中の心理的・社会的問題の解決、調整援助
入退院の調整、患者・家族からの相談への対応、退院後の在宅療養生活を整備し、在宅で受けることのできるサービスの情報を提供したり、各関係機関と連携をとり支援します。
2.退院援助
退院後の生活について共に考え、各関係機関と連携し、退院時支援を行います。高齢者の場合、退院時には介護保険制度を活用することが多いです。退院後に在宅での介護サービスがスムーズに受けることができるように、ケアマネージャーへつなぎ、退院後も生活が安定するように支援します。
3.社会復帰援助
退院後スムーズに社会復帰(復職や復学)できるように支援します。
4.受診・受療援助
患者さんや家族に対して受診や受療の補助を行います。生活と身体状況に合った医療について説明したり、病院や診療所へ情報提供を行います。病院が提供している様々な支援情報を患者へ提供し、参加促進します(リハビリテーションや、アルコール依存症の会、糖尿病指導など)。
5.経済的問題の解決、調整援助
医療費や生活費について悩んでいる場合は、福祉の支援や保険などの諸制度を活用し、不安感がなくなるように支援します。
6.地域活動
患者のニーズと合ったサービスが地域で提供されるように地域福祉のシステム作りや地域福祉の促進を図ります。地域ケア会議に参加し、保健医療立場から地域の医療福祉やネットワーク作りを構築します。高齢者や精神障害者が地域で暮らすことができるように、地域の理解を深め協力を促します。